初期中絶の体験を記録していく

やむをえない事情で初期中絶をしなくてはならなくなった。その体験を記録していく。

手術当日(1)

午前9時到着の予定で病院へ。渋滞を見越して早めに家を出たので、8時半頃には着いてしまった。受付で少し待たせてもらった。車を降りるとき、送ってくれた夫が「がんばってね」と言ってくれた。夫にしては珍しいことで、驚いたがその気持ちが嬉しかった。


午前9時。最初に通された部屋で寝間着に着替えた(前開きのスリーパー+パジャマのズボン、整理用ショーツ、夜用ナプキン)。このとき通された部屋は手術室のすぐ隣で4畳半ほどの部屋にベッド1台とソファ、テレビが置いてあった。窓もなくトイレも廊下に出ていかなくてはならなかった。印象としては、窓がないしせまいので監禁部屋みたいだと感じた。しかしこのときは「すぐ終わるからこういうところでもいいのかな」くらいに思っていた。
着替えて待っていると、9時半頃に看護師さんがやってきて「緊急手術が入ったので、別室へ移動してください」と言う。同じ階にある別の部屋へ移動してしばらく待機することになった。新しく移動してきた部屋は広く、個室内にトイレやシャワー室もついており、おそらく出産入院用の個室で明らかに設備が良かった。後から考えると、点滴がかなり長くかかったので、トイレへ行くのにいちいち別室まで点滴抱えて行かなければならない最初の部屋ではかなり面倒でストレスがたまったと思う.

10時頃。看護師さんがやってきて、全身麻酔と中絶手術のリスクの説明と同意書へのサイン。かなり怖いことが書いてあるので緊張が高まるが、話し相手もいないので一人で心落ち着かせる。

10時半頃より点滴開始。ブドウ糖の点滴なのだが、このときの看護師さんがかなり下手で、最初に刺したところはハズレで刺し直し(かなり痛い)。次にひじ内側に刺したらシーツに血が垂れるほどドバーッと流血。今までに何度も点滴したけど,こんなに流血したことなかったんだけどな・・・。あわてて血をふきながら、なんとか固定すると「ヨシッ」と言ってる看護師さん。大丈夫かいな・・・。しかも点滴管のアジャスター?を落として、それを拾ってそのまま使っていた。まぁ針ではないから大丈夫なのかもしれないがかなり不安が高まってしまった。しかしやはり話し相手もいないので一人心落ち着かせる。

11時頃より、麻酔による吐き気を防ぐため吐き気止めを点滴に追加。加えて、両肩に「麻酔を効きやすくする」ための筋肉注射。「痛いですよ」といわれ覚悟するも、1本目の感想は「意外と大丈夫」だった。が、「2本目は1本目で痛みがわかってるぶん、さらに痛いです」と言われ、「そんなことないでしょ~」と思ったら本当に2本目のほうが痛かった。2本目の方が痛いのが意外でなんだかテンションが上がってしまい(だれかと話したいという気分もあったと思う)「2本目の方が痛いって不思議ですね!」と何度も言っていたら、看護師さんが困惑気味だった。「うーん、2本目は構えるからですかねえ・・・」と言っていたが、もしかするとクレームだと思われたのかもしれない(もちろんクレームのつもりはない)。ちなみにこの看護師さんは点滴が下手な看護師さんとは別の人。毎回看護師さんが違うので、何を誰に質問すればよいのかよくわからなかった。注射後、「11時15分までにトイレを済ませておいてくださいね」と言われる。

以上で事前の処置は終了し、11時15分頃に手術室へ移動することになる。ネットでは痛いと不評のラミナリアも私の場合は使わなかった。上の処置以外の時間はベッドで横になっていればいいのだが、緊張しているのか眠れない。ネガティブなことばかり考えてしまい、そのたびに「何も考えるな」と自分に言い聞かせていた。かなり感情を抑えこんでいたと思う。無感覚に近い状態になるよう努めていた。